ネットの人権侵害

ネットの人権侵害

4割増で過去最多に 書き込み 動画 いじめ 体罰も

法務省は14日、全国の法務局が昨年に救済手続きを開始した人権侵害事件の概要を公表した。昨年扱われた人権侵害事件は2万2437件で前年より493件減少。救済手続きに入った事件の総数は平成16年以降、年間2万1千件から2万3千件台で推移している。

昨年手続きに入った事件で特徴的な傾向としては、(1)無断で個人情報を掲載するなどインターネットを使った人権侵害(2)学校でのいじめ(3)教職員による体罰-の3つが急増。ネットによる事件は前年比42.6%増の957件となり、現行と同方法の統計が残る平成13年以降で最多だった。学校でのいじめは4034件(前年比1.2%増)、教職員による体罰は887件(同139.7%増)にのぼり、いずれも過去最多となった。

法務省人権擁護局によると、ネットによる人権侵害の内訳は、住所や電話番号、顔写真を無断で掲載するなどのプライバシー侵害が600件、掲示板での中傷といった名誉毀損が342件。女性被害者の氏名や携帯電話番号に加えてわいせつな内容の書き込みがされたり、動画投稿サイトに男子生徒が同級生からいじめを受けている様子を撮影した動画がアップされたりした事例があった。各法務局はプロバイダーに削除を求めるなどした。
教職員の体罰が増えた原因について法務省は「大阪市立桜宮高の問題を受けて、多くの体罰が新たに発覚したためではないか」との見方を示した。教師が生徒指導の際、男子生徒からばかにされたように感じ、背後から腕を生徒の首に回して締め付けた事例や、24年に発覚した事件の中には、授業中に机に突っ伏していた児童に教師が黒板消しを投げつけ当たった事例などが見られた。法務局は校長らに改善を求めた。

このほか、障害があることを理由に子供が音楽教室の体験入学申し込みを断られたとして母親から法務局に相談があり、法務局で音楽教室に事情を確認すると、具体的な症状を聞かずに「対応できないのではないか」との心配から拒否してしまったことが判明。合理的理由がない拒否はしないよう、法務局が言い聞かせた事例もあった。