医療トラブル

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死亡例を学会に報告せず

 
千葉県がんセンターで腹くう鏡の手術を受けた患者11人が死亡した問題で、センターが、学会から義務付けられている死亡した患者の報告を、複数例、行っていなかったことが日本肝胆膵外科学会の調査で分かりました。また学会は18日、理事会を開き難易度の高い手術が安全に行えるとしていたセンターの認定を取り消すことを決めました。
この問題は、千葉県がんセンターで、7年前から去年2月までに、腹くう鏡による手術を受けた患者11人が死亡したものです。
千葉県がんセンターは、難易度の高い手術を安全に行える施設という認定を日本肝胆膵外科学会から受け、毎年、死亡例を報告することが義務付けられていました。
ところが、学会が平成20年からの7年間について調べたところ、患者が死亡し、報告しなければならないケースが医療事故の報告書の中には複数例あったのに学会には報告されていなかったということです。
また学会は18日、理事会を開き難易度の高い手術を安全に行う体制が整っていないなどとして千葉県がんセンターを学会の認定施設から外すことを決めました。学会の認定は、難しい手術が多い、肝臓やすい臓の分野で、患者が治療を受ける病院を選ぶ際の重要な指標となっていて死亡例の報告は、学会が認定を継続すべきかどうかの重要な判断材料となっています。
これについて学会の宮崎勝理事長は、「患者さんに安心して手術を受けてもらう上で施設の認定は、重要なものだ。死亡事例があったのに報告されていないのは重大な問題でセンターに対し、説明を求めたい」と話しています。
これについて、千葉県がんセンターの江指純事務局長は、「学会に報告する義務がある死亡例の定義について、把握できていないので、まず病院内で調査を行い、事実関係を精査したい。そのうえで、間違いがあれば訂正したい。認定の取り消しについては重く受け止め、信頼の回復に全力を挙げて取り組んでいきたい」と話しています。

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